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キズナアイが確立したバーチャルYouTuber像と現在のVtuberの姿

こんにちは、からぱんです。

 

最近TwitterのTLにバーチャルYouTuber関連のツイートがかなりの頻度で流れてくるようになりました。僕はバーチャルYouTuberには興味はあまりないのですが、バイきんぐが好きなのでガリベンガーVは見ています。あと声が好きなので月ノ美兎の動画をたまに見ます。すみません、オタクみたいで。まあオタクなんですけど。

 

尚、今回の記事を書くにあたってょうぢさん(@z_yo_di)さんに取材をさせていただきました。ょうぢさんご協力ありがとうございました。

ょうぢさんのアカウント⥿

ょうぢ@Vtuber準備中 https://twitter.com/z_yo_di?s=09

 

キズナアイ、誕生

キズナアイ、一度は聞いたことはあるんじゃないんでしょうか?

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バーチャルYouTuberの先駆け的存在ですね。

2016年12月に動画投稿を開始したキズナアイが世界で最初にバーチャルYouTuberを名乗った人物となります。つまり自称していたということです。

2017年4月に登録者50万人、12月に100万人を達成しているわけですが、キャラクターが動画を通じて活動するというスタンスの動画はそれ以前にも存在していました。

しかし、キズナアイはそれまでとは違うある「設定」があったのです。

 

 

鍵となった「設定」

キズナアイはあくまでも存在しているものであった、という点です。キズナアイが最初に挙げた動画(今はなぜか二番目に挙げた動画になっています)である、自己紹介動画において、彼女はこのように発言しています。

 

バーチャルYouTuberって響き、カッコよくないですか? そんな感じで、私は皆とちょっと違うんです。だから、興味があります! たくさん知りたい! 仲良くなりたい! そんなことを考えてYouTubeを始めてみました」

 


【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ)

 

 

この発言を整理すると、あたかも「キズナアイ」という画面の向こう側の個人が人間と仲良くなるためにYouTubeを始めた、という思考に落ち着くのではないでしょうか。

つまり、キズナアイを誰かが演じていてそれを動画にしている、という認識よりも画面の向こう側にいるキズナアイという存在がYouTubeを始めた、という印象が強くなると思います。

キズナアイという一人の女の子として浸透していった、というのが広まった要因といえると私は思うのです。

 

 

変化する立ち絵の役割

それが現在のにじさんじやホロライブに所属しているVtuberの大半は、あくまで声優やオーディション合格者(いわゆる中の人)がキャラクターを演じているだけになってしまっていると思うのです。

要するに、動画に写っている立ち絵が、動画を構成したり作成している人から単なる演じている人の象徴に過ぎないものとなってしまったわけです。もちろんそれが良いとかダメとかを議論するわけではありませんが、事実としてそのようなコンテンツは豊富にあり、インターネットに溶け込んだ今となっては特異性はほぼゼロとなってしまいました。

 

変な話、Twitterみたいなものです。

Twitterのアイコンが可愛い、もしくはカッコいいイラストの人って、会ったことないのに何となくイケメンな気がしてしまいませんか?

だから、実際にエンカしてみたら想像と全然違った…ということが起きるのです。

僕はポッポのなりきり垢ではありません。しかし、なりきろうと思ってポッポのようなツイートをしていれば、名前がからぱんだとしてもポッポのイメージが強くなると思うわけです。

僕が毎日「戦うのは好きじゃないッポ!」とツイートしていればもうそれは非好戦的なポッポである他ないわけです。

しかし、僕がポッポアイコンなどではなくヤバイやつが多い車やバイクのアイコンで、

「戦うのは好きじゃないッポ!」とツイートしていたらどうですか?

意味が分からなくないですか?

つまりインターネット上の印象というのは

①どのようなコミュニティにいるのか

②どのようなアイコン、立ち絵なのか

③どのような発言、活動をしているのか、という点になるわけです。

 

そして、①と②の組み合わせが第一印象、②と③の組み合わせが長期的な印象に繋がると考えます。

少し話が逸れましたが、これをキズナアイに当てはめて考えましょう。

YouTube

②白を基調としたノースリーブ+ハーフパンツ

③ゲーム実況(口が悪いことが多い)+YouTuberのようなチャレンジ動画+歌ってみた等

 

これだけを見るとかなり人間らしいのです(人間がやっているので当たり前なのですが)

加えてこれは他のVtuberにも当てはまることでしょう。

しかし、キズナアイには先述の設定がありました。それにより、人間味のある二次元上の存在という親しみやすい+新鮮なコンテンツとなったわけです。

それが、立ち絵の意味が変わってしまった今となってはただの人間に過ぎません。3Dでキャラクターを動かしているだけの人間なのです。

 

 

仕方の無い変化

しかしこの変化は仕方の無いものでもあります。コンテンツが広まれば広まるほど設定は曖昧になるものですし、多くの人の目に触れます。むしろ、多くの人の目に触れようと様々なメディアに売り出そうとします。

前置きで僕はガリベンガーVを見ていると言いましたが、その中でもかなりメタ発言があります。人間が中にいるという旨の発言がされると必死に否定しますがそれが繰り返されればやはり強く印象に残ります。他にもエピソードトークなども設定上難しいものですが、そのような話を強いられる場面も多く存在します。キズナアイが築いたバーチャルYouTuberというのは、通常のYouTuberとは違い、活動できる範囲自体は非常に狭いものとなっているのです。

ょうぢさんへの取材の中でも、

キズナアイ氏が有名になった当初はVtuberをするのにかなりコストがかかっていたためライブ配信はほぼ不可能でした。基本的には企画が動画になるというだけです。しかし、ミラティブやカスタムキャストなどといったライブ配信を主体としたVtuberスマホ1つでできるようになったことがきっかけで、活動が動画からライブ配信に切り替わる様になった」

という発言がありました。やはり編集のできる録画から、発言や行動がそのまま漏れる生放送にステージが変わったことが、人間らしさが漏れ出る原因の一つだったのかもしれません。

その上、需要がなければコンテンツとして飽きられる、通称オワコンとなってしまうのが目に見えますから業界は必死に需要を求め様々な活動をします。これは膨大な金銭を注ぎ込んでいる訳ですから当たり前ですが、それにより個人のVtuberが大きくなることも難しくなっています。クオリティに差が出てしまうことは否定できません。しかし、コンテンツの拡大という面から考えるとこの状況が良いものなのか、というところは考えものでしょう。事務所、という訳ですから無闇やたらにVtuberを増やしていく訳にもいきません。そのためオーディションをしている訳ですが、それは落ちる人間が存在するということです。そのような限られた人材に企画をぶつけるというのには限界があるでしょう。このようなことがゲーム部の問題を引き起こしたとも考えられます。最初からゲームが得意として入ってくる人材が十分にいれば、結果は変わっていたかもしれません(もちろん周りの環境のこともありますが)

このような事態は声優業界にも垣間見られます。

アニメキャラの声をあてるだけでなく、歌やダンス、ビジュアルが重要視されているのは仕方ないでしょう。今の業界にはアニメキャラに声をあてたいと入ってきた人に「後から」歌やダンスの練習をさせているという実態があります。

そのため、声優の卵の方々は時間もお金も仕事も無い。ただ毎日練習でストレスが溜まっていく一方なわけです。

最近、「底辺声優の所感」という記事が話題になりましたが、そこにはこの問題が深く書かれています。

つまり、コンテンツとしての"新鮮さ"を追い求めてばかりいると、最終的には後から「中の人」にスキルを身に着けさせる必要が出てくるということです。これがVtuberの負担になり得るかどうかは言うまでもないでしょう。

 

 

視聴者はどうすればよいのか

このことについての個人的な考えですが、後からスキルをつけさせる現実は仕方ないと思うわけです。しかし、視聴者が様々なVtuberに触れてあげれば個人にかかる負担は軽減されると思うわけです。

考えてみてください、あなたが企画を考える役割だとして何か新しいことをしなくてはならない状況で、AかBどちらかのVtuberを起用するとき、 AとBの活動期間がほぼ同じだとしたら、どちらを選びますか?

A→ファンは約5万人

B→ファンは約30万人

 

ほとんどの方がBを選択すると思います。活動期間が同じほどならわざわざAを売り出す必要もないですし。そして重要なのが、ほとんどの方がBを選択する点です。

皆が皆Bを選んでしまってはBの負担が大きくなる一方なのは容易に想像がつきます。

もちろんこれは極端な例ですが、要するにこのような状況を回避してあげればいいわけです。

だから、私が言いたいのは

 

会社や個人関係なく様々なVtuberを知り、応援してあげる

 

これがVtuberの発展に必要だと私は思います。一人のVtuberに執拗に執着していても、コンテンツの発展は見込めませんし、衰退していく一方です。なぜなら企業はその個人を売り出しているのではなく、「Vtuber」というコンテンツを売り出しているから。

Vtuber総合での利益を見出そうとしているのです。

そして個人のVtuberも応援してあげれば、新たなVtuberが増えるのにもつながります。正直僕は今がVtuberというコンテンツにおいての踏ん張りどころではないかと感じるわけです。だからこそこれをファンの方々には意識してもらいたい。僕は好きなコンテンツが何回も衰退していってしまっているので。

個人的な意見ですがVtuberというコンテンツ自体はとても素晴らしいものだと思いますし、発展の可能性をとても秘めているものだと思います。だからこそ、ファンの不用意な需要の押し付けでコンテンツをつぶすのはもったいないよう感じます。

 

すみません、ただのオタクの独り言です。

それではみなさん、さようなら。